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2019/02/06

「虐待」問題を考える(監督から)

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  「虐待」問題を考える      監督 齊藤 秀樹

 つい先日、野田市の小学校に通っていた小学4年生(10歳)の女児が父親から虐待を受け、死亡するというショッキングな事件が起こりました。家庭内での子育ての問題ではありますが、未来ある尊い命が奪われるという現実に直面し、何とか救ってあげることはできなかったのかという悔しい思い出いっぱいです。 

 さて皆さんは「児童養護施設」という所が全国各地にあることを知っていますか。児童養護施設というのはそもそもは「孤児院」という呼称でした。つまり孤児(親が一人もいない子)が生活する施設でした。しかし現在、児童養護施設で暮らす子どものうち孤児は全体の1割弱しかいません。つまり9割以上の子には親がいます。なのになぜ子どもは親と一緒に生活することができないのでしょうか。子どもたちの入所理由で最も多いのが「児童虐待」です。親がいるのにその子の生命や安全が保証できない。だから親と離れて暮らすことを余儀なくされているのです。


 「親は子どもを守り保護する存在である」とは、ごく普通の当たり前の言葉ですが、これがどの親にも当てはまるとは限りません。なかには子どもの身の安全を脅かし危害を加える親たちがいます。これを「児童虐待」と言います。2017年末に児童相談所に届けられた全国の虐待件数は実に12万3千件に上り、過去最高を更新しました。


 児童虐待をいくつかの類型に分けてみると次の通りです。
①「身体的虐待」…子どもを殴ったり、蹴ったりする暴力行為。        
②「精神的虐待」…言葉による脅し、無視、子どもの前で家族に暴力(DV)をふるう。
③「性的虐待」…子どもへの性的行為、児童ポルノの被写体にする。
④「ネグレクト」…食事を与えない、家に閉じ込める、病院に連れて行かない等。


   この中で最も多いのが「身体的虐待」です。子どもが言うことを聞かないからといって、殴ったり、蹴ったり、たばこの火を押しつけたり、熱くなったヤカンやフライパンを押しつける、骨が折れるほど痛めつける、高い高いをして床や畳にわざと落とす…。我が子にここまでするのかと、目を覆いたくなるような惨事が多発しています。そして親たちは子どもがぐったりすると、ふと我に返って、後悔することも多いようです。

 身体的虐待の次に多いのが「ネグレクト」です。ネグレクトとは親として行うべき養育や監視をせずに、子どもを放ったらかしにしておくことです。子どもに食事を与えない、子どもを置いて長期に家を出てしまう等がこれに当たります。2004年に実話に基づいたYOU主演の映画『誰も知らない』が上映され、世間に衝撃を与えました。夫のいない母親は4人の子どもを抱えているが、あまり家には帰ってきません。たまに帰ってきたかと思うと、深夜遅く酔っぱらって、眠っている子を無理矢理起こし、母親とは思えないなれなれしさで子どもに接します。そして子どもにはアパートから一歩も出ないよう命じ、子どもたちはそれを従順に守り続けます。ある日母親は少しの金を置いて家を出てしまいます。ある男性と暮らすためです。子どもたちはいつか母親が帰ってくると信じながら、毎日を生き延びます。やがて水道が止められ、風呂にも入れず、水も飲めなくなってしまいます。しかし近所の公園で水を汲んでくることを覚え、残り少ないお金で買ったカップラーメンに公園の水を入れて皆で分けて食べる。そんな生活を続けていきました…。繰り返しますがこれは実話に基づく話です。


 今回紹介した親たちは、残念ながら現在一定数存在します。未熟で親と呼ぶに値しない大人がなぜ出現したのか。今後のこの紙面を借りて考えていきたいと思います。 


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