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2021/06/15

今一度「子育て」を見直そう(監督から)

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 今一度「子育て」を見直そう   監督 齊藤 秀樹

  ある本に、「人間だけでなく動物は全て必ず子育てをする。しかし子育てに失敗するのは人間だけである。」と書いてありました。動物の子育ては実にシンプルです。それは「自分一人で生きていける(生き抜いていける)子に育てる」という明快な目標があるからです。それに対して人間は「ああなってほしい。こうなってほしい。欲をいえばここまで…。」と、子どもにいろいろなことを要求し、様々な働きかけをします。その結果、子育てに失敗し、時に取り返しのつかない人間を創り出してしまう場合もあります。

    今から30数年前の夏休みに、4才から7才の幼女4人を連続して殺害するという大事件が起こり日本中を震撼させました。当時まだ若手教師だった私は職業上、連日報道される犯人の生い立ちや性格、家族構成等の情報を興味深く見ていました。テレビや新聞の報道では、犯人像を「異常な人」「変人」…と扱っていましたが、私は反対に「こういうタイプの子は学校の中にもいるな。いやこれからもっと増えてくるような気がする。」と思っていました。予想通りその後も同じような悲惨な事件が度々起こり続けています。

 それではこれらの犯人像からその特徴的な性格を考えてみたいと思います。
「人とのつき合いができない」…子どもの頃から人との関わり方が下手で友人が少なかったそうです。人は多くの人と出会い、集団の中で生活することによって社会性や協調性を身につけ、社会的な常識やルールを知り、人に助けられたり助けたりする経験を通して思いやりの大切さを学び、自分を成長させていくものです。彼は同年代の友人が作れないために、幼い子や弱い子に異様な興味を示し、思い通りに従わせたいという歪んだ欲求が強くなってしまったようです。
 
「がまんができない」…人は大げんかをしたり、他人から自尊心を傷つけられたりすると、時に「殺してやりたいほど憎たらしい」と思うこともあるでしょう。しかし、普通の人間は例えそう思っても実行に移すことはありません。他の動物たちとは違い人間には「理性」があります。自分の感情を抑えることができます。ほしいものがあってもお金がなければがまんするし、おしっこがしたくてもトイレを探すまでがまんできます。裕福な家庭に生まれ、早くから自分の部屋を与えられ、何でもほしいものは買ってもらえた犯人は、がまんする経験が極端に少ない子だったようです。

「夢と現実の区別がつかない」…がまんすることとも関係が深いのですが、小さい頃はいろいろな空想をします。空を飛んでみたい。魔法が使えるようになりたい。宇宙人と会って話がしたい。…。しかし、年齢を重ねるうちに現実を知り、昔は不思議なことを考えたものだと懐かしむようになります。一連の犯人達の死体を切り刻む、焼いて食べてみる等の行為は、ロリコン漫画やホラー映画の世界にのめり込み、空想と現実、妄想と犯罪の区別がつかなくなってしまった典型だと思います。

    この事件はその8年後に起きた中学生による神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)とともに教育界に衝撃を与え、文科省はこれからの教育は学校だけでは限界がある。学校を週5日制にし、根本である家庭教育を今一度見直すべきだという答申を出しました。そして学校では、従来の知識偏重教育(知識を大量に詰め込む)から「生きる力の育成」(自ら考え、判断し、解決する力の育成)を重視した教育へと大きく方向変換するきっかけになった事件です。

    ズバリ言います。子育ての究極の目標は、オリンピック選手を育てることでも、東大に入学させることでもなく「我が子を決して犯罪者にしないこと」だと思います。

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