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「父親」と「母親」考(監督から)日誌11/29 07:57

          齊藤 秀樹  監督

 
 

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2024/10/31

昨日の自分と勝負せよ(監督から)

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 昨日の自分と勝負せよ  監督 齊藤 秀樹
  
 走ることが得意な子と、苦手な子がいるのは事実です。同じように習字やリコーダー演奏にも上手・下手があるでしょう。しかし、毛筆(字)が下手な子でも適切な指導を受け、何度も練習していけば、まずまずの書き初めは書けるし、リコーダーも吹けるようになると思います。そういう意味で私は「教育の可能性」を信じています。

 しかしそれと同時に、走ることが得意な子が一流の指導者に巡り会えばより一層速くなるし、楽器演奏も飛躍的に伸びるでしょう。したがって100人の子が皆それぞれに適切な指導を受ければ、遅い子でも速くなることは事実ですが、同時に速い子はより一層速さを増すわけですから、結果的に走力差は開いてしまうのです。
 つまり“「教育の可能性を信じる」ことは、必ずしも結果において「平等」を意味するものではない”ということです。

  しかしよく考えてみると、「できる」「できない」とか、「得意」「不得意」という意識は、全て“平均”とか“みんな”との比較から生まれます。みんなよりできることが「できる」であり、みんなよりできないことが「できない」なのです。

   この後、各学校ではマラソン大会が予定されていますが、勝利や順位を目標にがんばる子どもたちがいてもいいし、それとは別に“他人と比べて自分がどうかではなく、自分が昨日よりどれだけ伸び成長したかに挑戦する”という目標で、自分の持てる力を精一杯発揮してがんばることも大切です。1ヶ月前のタイムをどれだけ縮められたかに挑戦し、そのタイム差が大きければ大きいほど、自分なりに努力しがんばったということになります。
 運動だけでなく、絵画でも歌でも計算でも料理でも何でもいいです。人は誰でもその子にしかない良さが必ずあるはずです。皆が全て「同じ」である必要はないし、そんなことはかえっておかしいことです。

 何度も同じことを書きますが、私たちは「一人ひとりが持っている秘められた可能性を発見し、引き出し、伸ばし、輝かせてあげたい」と同時に、「人との違いを認められる心の広さ、強さ、豊かさを身につけてほしい」と願っています。

 大会に出場して学校の代表として活躍した子や、絵画や習字ですばらしい賞をもらった子に対して、決して妬んだり、陰口を言ったりしない子どもたち、「よし、ぼくは今度○○で活躍するぞ」という子を育てることが、学校から陰湿な「いじめ」を撲滅する最も重要な“心の教育”につながると思います。

 学校で行われる行事には、いつもたくさんの保護者の皆様に参観・応援をいただきありがとうございます。参観の度に、全力を尽くして最後まであきらめずにがんばる「活力あるSAAっ子」の姿をたくさん見ていただいていることと思います。

 「教育の可能性は必ずしも結果の平等を意味しない」のですから、その子なりの努力や成長を認め、褒めるという視点や評価はとても大切なことだと思います。
  
 勝利という目標に向かって、精一杯の努力をすることと、自分自身の成長に着目して、努力することのすばらしさを味わうことの両面を、これからも大切にしてほしいと思います。


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