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          齊藤 秀樹  監督

 
 

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2024/09/06

「運動会」の意義(監督から)

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 「運動会」の意義   監督 齊藤 秀樹       
  
 数ある学校行事の中でも「運動会」は、最も家庭や地域に密着したビックイベントです。前日の夕方はお弁当のおかずを買いに来るお母さんたちで、スーパーや商店がごった返し、唐揚げ用のチキンがすぐに売り切れてしまいます。また、あちこちで行われる井戸端会議では、明日の空模様や見所について話が盛り上がります。

 また当日は、朝早くからお父さん方が眠そうな目をこすりながら特等席をねらって、席取りにやってきます。私などもそうですが、自分の子どもが小学校に通っていなくても、一面に張られた万国旗とにぎやかな駆け足行進曲、そして子どもたちの歓声に誘われて、ついグラウンドを覗いてみたくなるものです。従って運動会は“一種お祭り的雰囲気を持った地域に開放された行事”だと言うことができるでしょう。                     

   もう一つ、運動会には大きな意義があります。それは数ある学校行事の中で“最も公開性のある行事”だということです。保護者の方々が年に一度、学校での子どもの様子を丸一日中見ることができるのは運動会だけです。運動会を見ればどんな学校かがわかるといわれるとおり、我が子の変容や成長、友人達の様子や仲間関係、学校全体の雰囲気、日常の体育指導の成果、先生方の動きやまとまり…、実際の姿を見ることにより、また新たな発見や驚きが生まれ、安心したり、心配になったり、感動したりします。また反対に、子どもたちも「見られている」という意識があるので、普段よりがんばろうという気持ちが強くなることも事実です。子どもは見られることによって成長する部分が大きい(これを見物効果という)ので、運動会はとても教育的効果が高い行事です。
 
 さて話は変わりますが、「運動会」という行事は他国にはあまり例のない、日本独特の行事だそうです。欧米の小学校では「スポーツ大会」的なものが多く、子どもたちはそれぞれ自分のやりたいスポーツ(サッカーやバレーボール等)の会場へ行き、一日中そこで体を動かして楽しむという型が多いようです。

 では、日本に運動会が生まれたのはいつ頃なのかを調べてみたところ、どうやら明治20年前後がその起源のようです。当時は、地域の人々が収穫の後に集まって体を動かして楽しむという「お祭り的性格のもの」と、全体を源平(今の紅白)に分けて、鍛えられた強さやたくましさを競う「軍事教練的性格のもの」があったようです。今でも残っている騎馬戦や綱引きはこの当時からやっていた競技だそうで、かなり長い歴史と伝統がある種目といえます。          

   さて、今年の運動会にはどんなドラマが待っているのでしょうか。私が校長時代は毎年、全体練習の初日に、子どもたちに対して“全力を尽くしてがんばる”という目標を伝えてきました。勝っても負けても、一位になっても転んでしまっても、成功しても失敗しても、自分の持っている力を精一杯出し切ることが大切だと思うからです。「全力だからかっこいい」「全力だから美しい」「全力を尽くす姿は人を感動させる」ものです。

   しかし何といっても、当日の盛り上がりを演出してくれるのは、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、地域の方々…観衆の大きな声援と拍手です。今年の○○小劇場がまもなく開演いたします。どうぞお楽しみに。

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