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          齊藤 秀樹  監督

 
 

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2024/08/16

子どもを「一流」に育てる①(監督から)

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子どもを「一流」に育てる①       監督 齊藤 秀樹
 夏休み中は様々なスポーツのイベントが行われ、連日テレビや新聞、インターネット等でその様子が大きく取り上げられていました。特にパリオリンピックでは連日、日本選手の活躍に日本中が興奮し、釘付けになりました。中でも柔道女子の阿部詩選手のまさかの一回戦敗退で、号泣し崩れ落ちる姿に日本中が涙を流しました。また体操男子団体では大逆転の金メダルに日本中が興奮し、感動の涙を流しました。そしてオリンピック終盤に行われた陸上の女子やり投げでは北口榛花選手が不可能と言われていた女子投擲種目で初の金メダルを獲得し日本中が歓喜しました。今更ながら国際レベルの大会の持つ魅力とその影響力、そしてチームや国家を強く結びつけ、感動を共有できるスポーツのすばらしさを強く感じました。
 さて、9月22日(日)に国立競技場で行われる全国小学生陸上競技交流大会では、5年男子100mと男女混合リレーの2種目にSAAの子どもたちが千葉県代表として出場します。どんなドラマが待っているのか今からとても楽しみです。
 さて私は、オリンピックや国際大会等で活躍した選手の生い立ちや環境と、それを支えた親の「子育て法」には、ある共通点があることを発見しました。そこで今週から子どもを「一流」に育てるには、どんな教育理念や方針が必要なのかについて、私の教えてきた子たちの話も取り入れながらシリーズで考えていきたいと思います。  

その1【やりたいことは自分で決めさせる】
 「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる」という諺がありますが、子どもたちの中には、ピアノ、習字、サッカー、ダンス、公文、学習塾、そろばん、英語…とたくさんの習い事をやり、毎日忙しく過ごしている子がいます。しかし、親から無理矢理押しつけられた習い事は長続きしません。まあ親としては将来子どもが困らないようにいろいろなことができる子どもになってほしいという願いがあり、時に自分がやりたくてもやらせてもらえなかった経験から、自分の夢を子どもに託したい気持ちを持つ方もいるでしょう。
 しかし「無理矢理やらされている」と思っているうちは、何をやっても子どもは主体的に真剣には取り組みません。いつも言っていることですが、子どもが成長するために最も必要な資質は「活力」(自分から「知りたい」「わかりたい」「できるようになりたい」「勝ちたい」という内面からのエネルギー)です。たどり着きたくもないゴールに向かって全力で頑張れる子はいません。

 そうは言っても、小学校低学年の子どもは、親ほどの情報量をまだ持っていません。自分の中に眠っている無限の可能性(自分にとって何が大切で、自分は何が好きで、何が苦手なのか)が十分理解できていません。そこで親は子どもの性格や能力、教育環境(習い事の先生の質や教育方針)などの情報を収集し、積極的に子どもに提示し、選択肢をいろいろと示してあげることが大切です。しかし重要なのはその選択肢の中から最終的に決断するのは子ども自身だということです。自分で決断し、目標を持ったときの子どもの頑張りは親の予想を遥かに超えます。「下手な鉄砲は、いくら撃っても当たりません」、子どもは自分が「言いだしっペ」になってこそがんばれると思います。  

 私の教え子の中に、大きな病院の2代目を次ぐ運命の子どもがいました。母親は強烈な教育ママで、大学は医学部以外は行かせないという厳しい方針で育てられました。ところがどこでどううまくいかなかったのかわかりませんが、彼は高校受験で第一志望校から第三志望校まで全て失敗し、次の大学受験は医学部に三浪までして挑戦しましたが、結局合格できませんでした。その後、彼はすっかり人生の目標を見失い、今はどこで何をしているのか私も友人たちも誰も知りません。利発で素直で努力家だった彼はクラスの人気者でした。そんな彼をあのようにしたのは、本人の意志や選択を全く無視し、進路や人生設計を強制的に押しつけた親のせいだと、当時もっぱらの評判になりました。

  今回のオリンピック大会の選手の中には幼少時から親の方針で体操や卓球をやっていた例が数多くあります。しかし練習を重ねていく中で、間違いなくその競技が好きになり、自分の特技となり、自分はこの道で行くという強い意志を持って努力し続けたからこそ輝けたのだと思います。きっかけは親でも自分の判断と活力がなければ決して一流にはなれないと思います。   
 
 引用、参照「一流の育て方」ムーギーキム著      つづく

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