子どもの褒め方・叱り方①
子どもの褒め方 監督 齊藤 秀樹
子どもの評価には、大きく3つの方法があります。1つ目は「相対評価」といって、他の子と比較することで、その子が集団の中でどのくらいの位置にいるかを評価します。1番なのか、中間なのか、中の下くらいなのか…というように「集団内での位置」を評価するものです。2つ目は、「到達度評価」(絶対評価)といって、親や先生があらかじめ示す基準にどれだけ到達できるかで評価します。90%以上なら十分満足、70%以上ならおおむね満足、60%以下ならまだまだ努力不足…というように到達度で評価します。ちなみに、現在の通知表はこの評価ですので、クラス内の位置や順位は関係ありません。3つ目は「個人内評価」といって、その子個人の中で、よいところはどこなのか、悪いところはどこなのか、伸びたことは何なのかを評価するものです。
さて、子どもをほめることが苦手な方には、ぜひ「個人内評価」をお薦めします。更にその中での「加点評価」(+評価)を心がけると、ぐっと子どもをほめる機会が増えると思います。例えば“掃除”を取り上げて帰りの会で「○○君は、いつもしゃべらないできちんと掃除をやっているね。偉いぞ。」とほめます。これは4月当初が20点の掃除しかできなかった子に、2ヶ月たって60点をあげられるまでに成長した時に使います。20点が60点になったということは、3倍も努力し成長したことになります。これを加点評価と言います。なかなか子どもをほめられない大人の中には、常に自分の満足度を100点に設定し、そこまで到達しなければ認めないという人にとっては、○○君の現在の60点は-40点であり、全然だめだということになってしまいます(これを到達度評価の減点評価といいます)。また、他人と比べて何点だったかという相対評価も、「お母さん九九が4の段まで言えたよ。」と嬉しそうに自慢している子に対して、「何言ってんの、お姉ちゃんなんかあなたの頃には9の段まで言えたわよ。」になってしまい、本人が頑張ったことをほめてあげられません。
どの評価法も時には必要かもしれませんが、子どもが1つでもできるようなったら、少しでも努力し成長が見られたら、それを見つけ、認め、ほめてあげることが「よし。次も頑張るぞ。」という意欲や向上心につながります。
“子どもは 誰でも よい芽を持っている”
“子どもは 誰でも 認められたいと思っている”
“ほめれられることを 嫌いな子はいない” のですから。 つづく