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          齊藤 秀樹  監督

 
 

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2025/07/18

今一度「しつけ」について考える③(監督から)

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今一度「しつけ」について考える③ 監督 齊藤 秀樹

 今週から最も子育てが難しい「思春期のしつけ」について書いていきます。「思春期」とはおよそ10才~14才くらいに始まりますが、その出発点は“肉体の変化”です。胸がふくらんできたとか、ヒゲが生えてきたとか、夢精をしたとか…この現象が思春期の入り口です。この肉体の変化が「心」に大きな動揺や変化をもたらすことになります。

 この時期の子どもは、「自分とは何者か」という“自分探しの旅”(アイデンティティの確立)を始めます。自分はどんなものが得意でどんなものが苦手なのか。どんな個性や能力を持っているのか。今まで憧れていた夢や希望は本当に叶うのだろうか。今現在自分はどんな生活を送り、どんな人たちとの付き合いや関係を持っているのか…を手がかりに自分自身を理解していきます。そして自分の今まで生きてきた人生を振り返り、時にそれを否定し、自己を再構築していきます。その“自立のためのエネルギー”が、今まで素直に何でも言うことを聞いていた親への「不服従」や「反抗」という形で現れるのです。
 
  それでは私がよく先生方の生徒指導研修会や保護者対象の家庭教育学級等で例題として紹介する『積木くずし』という書籍の内容を中心に考えていきます。この本は今からかれこれ30年位前、中学生の「非行」が社会問題として世間を騒がせていた頃に出版され、300万部を超える大ベストセラーとなりました。この本は、ある有名俳優が非行に走った我が子を主人公に書かれたもので、その後テレビドラマ、映画、リバイバル版…が次々に出ましたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

 では、なぜこの本がこんなにも当時の親たちを夢中にしたのでしょうか。それは親たちの中に「もしかしたら近い将来、家の子も…。ひよっとしたら明日にでも我が子が…。」という子育てへの不安が、とても他人事とは思えなかったからではないでしょうか。この本の中では、日に日に非行の度合いが激しくなる我が子と、その娘の一挙手一投足に戸惑い、悩み、オロオロするばかりの親の姿がしばしば出てきますが、これを読んでいくうちに、いつしか登場する親の姿と自分の姿を同一化し、「自分だったらこういう時にどうするか、どう扱えばいいのか、対処はできるのか…。」を一緒になって考え、探し、悩みながら読んでいったのでしょう。

    しかし、私がこの本の中で一番興味を惹かれたのは、実は親と娘との葛藤場面ではなく、親が娘のことで相談に行ったカウンセリングの専門家(警視庁の心理鑑定技師)からの助言と、この助言を必死に守ろうとする両親との闘いの場面でした。実はこの専門家からの助言というのは、両親にとっては「そんな馬鹿な。こんなことできるはずがない。」というものばかりだったのです。
 では、専門家からまずはじめに出された助言を紹介します。 

助言1…「子どもと話し合いをしてはいけない。」(親の方からは絶対に話しかけてはいけないけない。もし子どもから話しかけてきたら、相づちだけを打て。しかし決して意見を言ってはいけない。)

助言2…「子どもに交換条件を出してはいけない。また、子どもからの条件も受け入れてはいけない。」

助言3…「他人を巻き込んではいけない。」(どんなに悪い友人から娘が被害を受けても、決してその友人の保護者に抗議したり、会って相談したりしてはいけない。)

助言4…「日常のあいさつだけは、親の方からきちんとしろ。」(それに対して、娘がしなくても叱ってはいけない。)

助言5…「友人からの連絡があった時は、それがいかなる悪い友人からの、とんでもない誘いであっても、本人にその通り正確に伝えなければならない。」

   いかがですか。専門家がこの親に何を求めているのかわかりますか。次週はこの助言に込められた意味を詳しく説明していきます。                          つづく

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