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がんばれ先生方(監督から)日誌01/31 08:10

          齊藤 秀樹  監督

 
 

監督から

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2024/12/06

「男の子」と「女の子」考(監督から)

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 先週の「父親」と「母親」はいかがでしたか。あるお母さんから「先週の『監督から』を読んで、今一度夫婦でお互いの役割や教育観の折り合いをつけるよい機会になりました。ありがとうございました。」といううれしい感想をいただきました。

 「男の子」と「女の子」考  監督  齊藤 秀樹

 家庭教育学級などで、お母親さん方に「子育て」や「しつけ」についての話をすると、「男の子の育て方と女の子の育て方について教えてください。」という要望や質問がよくあります。そこで今回は先週の「父親と母親」に引き続き、「男の子と女の子」の違いとその育て方について少し考えていきたいと思います。

 まず最初に「性」(男女)という言葉には2つの側面があるということを理解する必要があります。1つめは「生物的・肉体的な性別」、2つ目は「社会的・文化的な性役割」の2つです。人間は生まれ持っている自分の性(生物的、肉体的な性別)を土台に、社会の中で一定の役割や相応しい行動を取るように周りから期待され、それを自分の特性として身につけ(社会的、文化的な性役割)ていきます。

 小学校5年生を対象とした「子どもの性意識」という調査データによると、自分の親から「男なんだから~」「女なんだから~」と言われた経験は、女の子の場合「女なんだからきちんとしなさい」が6割、「女なんだから行儀よくしなさい」が5割、男の子の場合は「男なんだから女の子に負けてはいけない」が7割、「男なんだから泣いてはいけない」が6割いたそうです。このように親の多くは「男は男らしく、女は女らしく育てたい」と考えていることがわかります。この結果、当然子どもは無意識のうちに親の期待に応えようとします。同じ調査の中に「自分の良い所はどこですか」の問いに、男子は「元気な所、たくましい所、頭がよい所」を多くの子があげ、女子は「おとなしい所、かわいい所、おしゃれな所」をあげていることからも明らかです。

 このことは学校生活の中でも様々な活動に影響を及ぼしています。例えばクラスの中の係活動では「保健係」と「飼育係」の2つは、圧倒的に女子がやることが多く、やはり女の子は伝統的な女性の役割とされている“奉仕・世話”を好むという特徴があります。一方男子は、よくやる活動として「休み時間は元気に外で遊ぶ」「授業中は積極的に手を挙げる」等が女の子の割合より高く、男の子には“積極性・活発さ・リーダーシップ”が求められていることがわかります。このように子どもたちが抱く「男女観」あるいは「性役割」というものは、大人が築いた社会や意識というものが、如実に反映されているといえるでしょう。

 さて日本には古くから「男子厨房に入らず」「男は船で女は港」「男は仕事で女は家庭」等の言葉があります。しかしこれは親が育ってきた(育てられてきた)経験や風習によって創り上げられた意識であり、これから21世紀を生き抜いていく子どもたちのそれとは違うのではないかと思います。前述のように、肉体的な性別は不変ですが、社会的な性役割は、時代や社会の変化に伴って変化していくべきなのではないかと思います。

  結論を言います。「男だから~してはいけない」とか「女のくせに~するな」という大人が勝手に決めた価値基準によって“その子の持っている個性や能力や可能性というものが制限されてはならない”ということです。面倒見のよい保健係の男の子がいていいし、女の子が運動会の応援団長をやってもいいはずです。

 「女の子を女の子らしく育てたい」というのはよいことだと思います。しかし「女のくせに~してはいけない」とか「女なんだからこうあらねばならない」という言葉を使って、無意識に子どもの特性や行動を制限してはいけないと思います。子どもたちが本当の意味で、自分の「性」に誇りを持ち、一人ひとりが持っている特性を生かして、堂々と生きていける、そんな社会が来てほしいと心から願っています。
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